- 2008-01-28 (月)
- Kimmeridge Sunset Drive
年末年始のイギリス旅行から、写真をもう少し。
真冬のイギリスは、午後3時半になると日が落ち始める。ただ、太陽が地平線に落ちる角度が浅いので、そこから長いサンセットタイムが始まるのです。
雲の切れ間から差し込む光が、少しずつ色づき始める。モノクロームの風景に、筆をサッと走らせると、水彩絵の具が紙に染み込むように、じんわりと空に色が広がっていく。
なだらかな丘陵地帯をドライブ中だったので、小さな丘をひとつ越えるごとに、すこし色彩の異なった別の世界が、窓の横目を通り過ぎる。いつの間にか、分かれ道を西へ西へと、あとずさる光を追いかけるようにハンドルをきっていた。この坂を登れば、日の沈む地平線を見渡せるに違いない。知らない道で根拠もなく、そんな気がしては、またもうひとつの丘が目の前に現れる。
雨に濡れた道路が、空よりも明るく夕日の色を映し出す。雑木林の背後で、雲が赤く燃えあがる。巣に帰る渡り鳥たちが、群れをなして頭上を追いこしていく。牧場の囲いの中で、羊たちが静かに夜を待っている。そんな風景を、いくつも通り過ぎながら、ひときわ小高い丘を登りきると、赤く光る海をみつけた。
冬の海は、思いのほか穏やかに、太陽を見送っていた。わずかに吹く風は、頬に冷たくも、心地よい夜の静寂を運んでくる。それは一生のなかでも、特別な夕暮れのひとときだった。
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